一個人の備忘録

メモのようなもの

欧米か

あまり気が進まなかったのだが、用があったのでアップルストアに行ってきた。

思い切って一歩入った瞬間に感じる疎外感(こうなると分かっていたから気が進まなかった)。

スタッフ、客、売り場、空気、全てが発する欧米感という結界に弾き飛ばされそうになるものの、なんとか用を済ませる。

そんな中、待ち時間にふと向かいの席を見ると、他のスタッフ全員が夜はDJとかやってそうなルックスの中、いまいち欧米化されていない、どちらかというと日本橋の電気街が似合いそうな見た目の地味目なスタッフが中年男性客に対応している。

私が勝手に和の空気を感じて和んでいる中、中年男性客が「いやー、アップル製品はマッキントッシュ以来でねー」などと比較的欧米度の高い言葉を発した。

私は、ここはこの地味なスタッフもさすがに「コングラッチュレーション!今日があなたの二つ目のバースデーだね!ヒャッホー‼」めいた返事をするのではないかと密かに期待していたのだが、「そう言っていただけると大変嬉しいです」という、至って普通のコメントだったので、少しガッカリした。

しかしその後中年男性客が手にしたiPhoneの電源を入れた瞬間にパチパチと拍手していたので、「欧米出た!」と少し引きながら、どないやねんと思った。

そんなこんなで翻弄されながらも用を済ませ、帰り際にオシャレな透明の階段で足を踏み外すという失態を犯しながら店を後にしたのだった。