一個人の備忘録

メモのようなもの

桜の下

よく通りかかる、公園と呼ぶのも憚られるような小さな空き地に一応遊具がおざなりに設置されたスペースに桜が植わっている。

先日そこを通りかかったら、他に誰もいないその場所で、満開の桜の下で弁当を食べている人がいた。

自分はそれを見た瞬間に羨望の気持ちがこみあげてくるのを感じた。

この空間を独り占めしているその人がうらやましくて仕方なかった。

と同時に、そこに邪魔が入りませんようにと願った。

ほんの一人でもそこに足を踏み入れた瞬間、何もかもぶち壊しになると思った。

そんな光景を目にするのがなんだか怖くて、足早に立ち去った。