一個人の備忘録

メモのようなもの

『ナイトメア・アリー』

 

着の身着のままで見世物小屋に潜り込み、そこで下働きをすることになった主人公・スタンは、そこて知り合った読心術の師匠にショーのやり方を教わる。しかし、肝心なところを教えてくれなかったことに反発し、アル中の師匠に飲んではいけないメチルアルコールを飲ませて殺し、読心術の秘訣を記したノートを手に入れる。程なくしてスタンは、より大きな野心を抱いて、見世物小屋で出会った恋人モリーと共にニューヨークに出る。それがやがて破滅へと向かうとは知らずに。

 

ずっと退廃的な雰囲気で話が進むので、これは絶対バッドエンドだろうなと誰しもが思うのでは。それにしてもブラッドリー・クーパーの魅力的なこと。人間としての道を踏み外して、破滅へと突き進む主人公をどこか憎めない人間として演じ切っている。ラストは自業自得と言えばそうなんだけど、どんな人でも少しは持っていそうな人間の弱さを突き付けられている気がして、泣きそうになる。